町長日記2018年7月31日(千葉県県土整備部・市街地整備課長ご一行が来庁)
千葉県県土整備部・市街地整備課の山口浩課長ご一行が来庁されました。土地区画整理事業の現状を視察する目的で、外房地区をいくつか回る途中だというお話でした。伺ったところでは、土地区画整理事業は、全体にバブル崩壊後不調に陥るところが多く、破綻に瀕したところもあったが、現在ではなんとかいずれもまずまずの方向にある、とのことでした。
土地区画整理事業は、一宮でも、組合によるものが過去にいくつか行われています。国土交通省のHPによれば、土地区画整理事業とは、「道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図る事業」とあります。うまくゆけば、新たな市街地の形成に大きく寄与するものです。ただ、資金調達には、十分配慮が必要です。同じく国交省のページでは、資金調達については、「事業費は、保留地処分金の他、公共側から支出される都市計画道路や公共施設等の整備費(用地取得分を含む)に相当する資金から構成される」とあります。規模にもよりますが、事業によって析出された保留地の売却がどこまで可能か、ここの部分に明確な見通しがないと、売却を見越して金融機関から借り入れた資金が返済不能に陥る可能性があります。従って、事業の立案・遂行には、数十年先まで、状況の変化を見定める眼力と、資金運用に関する厳しい見積もりが必要です。
過去に行われてうまくいった事例は、人口が増え、経済的にも拡大しつつある環境下のものがほとんどであったと思います。人口減と高齢化が進むこれからの日本では、住宅地を整備しても住む人がいない状態が想定できるとすると、なかなかどこでも可能というものではなくなりつつあると思います。今、一宮に実現性のある計画はありませんが、今後もしそうしたものが浮上した場合は、慎重な上にも慎重な検討が必要だと思います。