町長日記2018年7月2日(動態政経研究会に出席)
本日は、夕刻、森英介代議士の主催された「動態政経研究会」へ伺いました。芝公園、増上寺の横にある東京プリンスホテルで開催されました。東京大学 高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授のご講演がありました。まず「フレイル」という、老年期の衰弱の一段階(これまで虚弱とよばれてきた段階)について、その概念導入の機縁・目的が紹介されました。続いてフレイル概念を使って、要介護になる以前の高齢者の方々をいかに確実に色々な活動に誘導するか、実践をふまえてのお話が披露されました。特に、個々の参加者が自分の状態の前後比較ができるよう、フレイルチェックのリストを用いること、そのチェックは簡便にできるものが採用されていること、そして指導の文言は、通常のものではなく、確実に印象に残り、聞いた人が活動を起動する力をもっとものにすること、などが具体的事例を挙げながら生き生きと紹介されました。
フレイルチェックとは、両手で輪を作ってふくらはぎを囲んでみるチェック、パ・タ・カなどの音を早口で続けていってみるチェックなど、簡便でしかも確実に全身状態を計測するのに有効な方法が紹介されていました。また聞いたものの耳に確実に印象に残る語り方とは、たとえば、「健康のために運動したほうがいいですよ」の代わりに、「人は2週間寝たきりだと、7年分の筋肉を失います」などという、びっくりするような話を、膨大なデータにもとづく正確な知見の中から集めておき、それを使ってみなの耳をそばだたせる、というものだそうです。また、いわゆるメタボ対策は、中年‐60台前半までに必要なものだが、60台後半からは、むしろ瘦せは危険な状態だということも話されました。最後には、運動することも大事だが、なにより最も重要なフレイルにならぬための要因は、「人とのつながりがある」ことだということが紹介されました。
大変聞きごたえのあるお話で、わたくしは大変勉強になりました。町の実践に適用可能か、今後検討を行いたいと思います。