町長日記2018年5月27日(ごみゼロ運動に参加と渚のファーマーズマーケット見学とQS6000表彰式に出席と芥川龍之介・小高倉之助碑前祭に出席)
今日も、朝から様々な活動に参加しました。
まず、朝は、例年行われるごみゼロ運動に参加しました。綱田・枇杷畑から始まって各地区の集積所を巡回しましたが、各地区の責任者の皆様が異口同音に仰っていたのは、過去に比べると、数分の一にごみが減ってきているということでした。もちろん、枇杷畑で皆さんが困っておられるように、荒れた私有地に粗大ごみが続けておかれたりということは、変わらず存在しています。こうした時は、所有者に片づけ・清掃をお願いするのですが、現実にはなかなか所有者も対応してくれない状況です。しかし、全体として戸外に捨てられるごみが少なくなっているとすれば、それは嬉しい現象というべきです。
田町では、ごみを拾うだけでなく、皆様でどぶさらいをしておられました。わたくしも少々お手伝いしましたが、小さい時のことを思い出しました。
わたくしの住んでいた戸塚の宿場はずれには、排水用の水路がありました。これは、元来は農業用水路だったと思いますが、周辺に家が建つようになって、排水路とされたのではないかと推測します。というのは、これは自然の小川で、岸から水面まで1メートル以上の深さがあったこと、そこを掃除するときには、地区総出でスコップをもってゆき、泥上げをしていたことから推測するのです。最初からただの排水路であったとすれば、泥上げなど熱心にしたとは思えないのです。
泥上げの際には、生き物などがつかまえられていました。カニやエビなどがいたように思います。現在は、横浜市の手で完全に暗渠化されましたが、もともとは土水路でありました。そして、付近の集落のものにとっては、この川のどぶさらいなどの共同作業に参加することは、自明の理であり、参加しない選択はありえませんでした。
しかし、現在は、どぶさらいを共同で行う地区は、一宮町など農村部にはなお存在すると思いますが、都市化の進んだ場所では、少なくなっていると思います。そういうなか、田町の皆様が、重い思いをしながらどぶの泥を上げておられるお姿は、わたくしにとっては深い敬意を感じずにはおられぬものでした。
続いて、海岸広場で開かれている渚のファーマーズマーケットに伺いました。今回は100軒以上もお店が出ており、大変な賑わいでした。天気もよかったので、盛り上がりも格別でした。
わたくしの妻も会場の一隅に参加していたのですが、実は生まれてまもない猫の子供が捨てられていたということで、その手当に奔走することになりました。この捨て猫は、ある方から役場のスタッフが別のところで受け取ったあと、ファーマーズマーケットの会場でもらってくれる方を探せば、引き取り手が簡単に見つかるのではないかと思って、わたくしが会場に連れてきたのです。ところが、生まれてまもない子供だということで、結局引き取り手はなく、妻が獣医の先生のところに連れて行って診察して頂き、拙宅に一晩泊めることとなりました。(後日、こうした猫の世話をして、飼い主を探す仕事をしているNPO法人に委託しました。)
一宮海岸は実は捨て猫などが非常に多いのだそうです。ファーマーズマーケットは空前のにぎわいになりましたが、わたくしどもにとってはこの催しでは、捨て猫対応がもっとも忘れられないトピックになりました。
お昼には、QS6000の表彰式に参加しました。今回のQSは、一貫して波がよく、最終日よりも前にほとんどのトーナメントがおわってしまいました。最終日にはエキシビションマッチと女性の決勝などが行われましたが、男子決勝が行われなかったので、人出は昨年ほどではありませんでした。ただ、表彰会場には、商工会長・体育協会長・観光協会長・教育長もみえました。また南宮神社の祭り愛好会のみなさまのご厚意で、南宮神社のお神輿が、大宮・若宮二基会場に安置されていました。そこで、表彰会場としての盛り上がりは、昨年のカジュアルな雰囲気とは全く違ったものがありました。わたくしがご挨拶と受賞者に賞状・賞品をわたす役目を果たしました。
いつものとおりまず日本語であいさつし、後半は外国から来た方々のために英語で感謝の気持ちを込めてあいさつしました。英語のネイティブで日本語の達人、大会の実況放送を務めてくださったBen Weiさんが、今回も英語の挨拶が大変かっこよかったよ、とほめてくださいました。英語ができるようになっていて本当によかった、と感じる瞬間でした。
そのあと、一宮館で開かれた、短歌会と、芥川龍之介・小高倉之助碑前祭に参加しました。こちらは、外国語・横文字の世界ではなく、日本語・古典・縦書きの世界です。こうした、異質な世界が同時に展開しているところが、いまの一宮のすごいところです。短歌会では、拙詠「境内に張り子売る店見え初めてはるまち近し玉前の宮」という一首を披露いたしました。はるまちとは、当地のことばで、はるまつりのことで
また、碑前祭では、俳句を献句するということで、やはり拙作の「春めくや鯛抱く狆の張り子買ふ」という一句を披露いたしました。ご参加の皆様からはいずれもご好評をいただき、のちの懇親会では、ある方から、ご主宰の短歌結社への参加を勧められました。大変名誉なことと存じました。
なお、この短歌と俳句は同じ場面を詠んだものです。ただ、最近は「張り子」というのがなにものかわからない方が多いそうですので、念のために申し添えますと、「張り子」というのは、ダルマの置物のような、木型に紙を何重にも張ったあと、型抜きをして作った紙製の人形です。江戸時代以来よく神社の境内などで土産として売られていたものです。
一宮館の奥様は、今度は、短歌の会に町長賞を設けてはどうかしら、と仰っていました。わたくしもよいアイディアだと思います。検討してみたいと思います。
なお、短歌会から碑前祭に見えていたかたに、ファーマーズマーケットが一宮館とは指呼の間にある海岸広場で行われています、とご案内したところ、お出かけ頂いた方がおられました。帰ってこられて、大変な賑わいで楽しい催しだった、と喜んで下さいました。