町長日記2018年4月16日(副町長就任のご挨拶)

   今日は、東京へ出かけて、衆議院議員森英介先生、参議院議員石井準一先生に、また白子で千葉県議会議員酒井茂英先生に、副町長就任のご挨拶を差し上げました。また東京では、鈴木俊一東京オリンピック・パラリンピック大臣にもお目にかかりました。

 鈴木大臣との面会は、鈴木大臣と年来の昵懇の仲でいらっしゃる森先生のご紹介で実現しました。鈴木大臣は、大変お忙しい中お時間をとってくださり、多岐にわたってのお話をご一緒させてくださいました。大変柔和かつ温厚篤実なお人柄と拝見いたしました。お父様の鈴木善幸元首相も温厚篤実な方との印象が残っていますが、ご子息の大臣も春風を思わせる、相手を安心させるご風采、やはりご家風であろうかと、感慨を覚えた次第です。

 大臣のお話で印象深かったのは、「サーフィン人口は減少中であり、サーフィン関連産業も縮小中である」との認識です。これは、サンコーの佐藤誠社長も同様な見通しを述べておられ、またサーファーの方から伺った話でも、20代以下のサーファーが大変少ない、とのことですので、正確な状況認識だと思います。そうした点からいうと、サーフィンの適地として、オリンピックまで行ったとしても、一宮町が国内サーファーの自然な動きに身をまかせていたのでは、もう縮小再生産しかない、ということになります。サーフィンとオリンピックのレガシーを生かすつもりなら、違った戦略をとらなくてはならないということです。

 となると、やはりいわゆる「インバウンド」、外国人旅行者の地域への誘導がキーだと思います。昨年のQS6000に出場するために一宮町に見えた外国の選手は、試合終了後、ガイド役の方と一緒に玉前神社などを訪れたそうです。ガイド役をなさった方から伺ったのですが、皆さん大変喜ばれて、写真もたくさんとり、また角八さんなどで一杯お土産を買って行かれたそうです。

 日本人のサーファーの方は、現在推計で年間60万人が一宮を来訪するといわれていますが、行動パターンは単純で、海岸通り付近しか回遊せず、町中心部には、ほとんど足を運びません。従って、消費の輪も、海岸通りに限定されており、全町的な潤いになっていません。

 それに対し、外国人のサーファーの方は、サーフィンを楽しむばかりでなく、それ以外の一宮町の様々な面にも、目を向け、楽しんでくれます。特に玉前・観明寺のような神社仏閣は、皆さん魅力を感じて頂けます。しかも、これは、わたくしの経験からいえば、洋の東西を問いません。しかも、大事なことは、外国人の方は宿泊しますが、日本人はほとんどが日帰りです。

   とすれば、こうした外国からのサーフィン愛好者を誘導することこそ、今後わたくしども一宮町がサーフィンを地域資源として使ってゆくときにめざすべき方向であることは、明らかです。そして、さらにイチゴ狩りやナシ狩り、剣道体験や田植え体験なども織り交ぜてセッティングしてゆけば、必ず継続的な需要を喚起することができると思います。これからは、海外の方を、サーフィンをひとつの軸とした、多面的な体験的ツーリズムの企画でお招きすること、これを軸にして町の観光業の振興を図ってゆかなくてはなりません。

   鈴木大臣のお話を伺いながら、わたくしはこうした、少し前から考えていたアイディアについて、大変意を強うさせていただいた次第です。

   また、オリンピックについては、有料エリアのほかに、無料エリアが必要だという認識を申し上げ、資金関係での援助なども今後お願い申し上げたい、ということをお話し差し上げました。大臣は、「なるほど、それはほかのところでもいずれ出てくる問題ですね」と仰って、課題としてそうしたことがある、という認識を共有してくださいました。

   大変成功裏に終了した東京オリンピック・パラリンピック大臣訪問でありましたが、ひとつだけ失敗がありました。わたくしどもが、一宮町の紹介資料を持参しなかったことです。わたくしどもは、お忙しい大臣でいらっしゃるので、本当に短い表敬訪問であり、単にご挨拶差し上げるだけかと思っていたのです。これが大きな間違いで、40分もご一緒させて頂くことができたのです。嬉しい誤算でしたが、大臣には失礼を差し上げました。お詫びの上、帰ってから、早速、町政要覧など、資料をお送りすることに致しました。