町長日記 10月29日(一宮尚武会創立50周年記念・奥田杯争奪関東近県選抜少年剣道練成大会といちのみや保育所のはらっぱ文庫 絵本イベントと芸能と音楽をたのしむ会に出席)
本日は、雨の中、三つの催しに出席しました。
【一宮尚武会創立50周年記念・奥田杯争奪関東近県選抜少年剣道練成大会】
まず、朝方、一宮尚武会創立50周年記念・奥田杯争奪関東近県選抜少年剣道練成大会という大規模な小中学生の剣道の試合が開かれ、活動根拠地が一宮ということで、来賓として9時からの開幕式に出席いたしました。会場は、大網のアリーナでありました。実は、当初尚武会のみなさんは、一宮GSSを考えておられましたが、さまざまな事情から、はるかにすぐれた諸条件をそなえた大網のアリーナをお借りすることにしたものです。お借りするについては、わたくしが大網白里市の金坂昌典市長さんに直接ご相談し、市長が是非お使いください、と快くお引き受けくださったことから、大網での開催となりました。ご挨拶でも申し上げましたが、金坂市長さんには、一宮尚武会の催しに大きなお力添えを賜りましたことに、改めて感謝を申し上げたく存ずる次第です。
尚武会は、千葉県警の橋本氏・奥田写真館の奥田耕作という両先輩によって、昭和43年(1968)年に発足したそうです。爾来50年、伝え聞くところでは、歴代相当の活躍をなさる方々が続々と輩出したそうです。町では、その輝きは「むかしの一宮の少年剣道は、強かったんだよ、人数も80人もいたし」ということで、伝説のようにして語られています。ただ、近年は剣道人気も下り坂となり、直近では4人と最少人数にまで縮小してしまったということです。ところがその後、この1・2年で新加入メンバーが増え、成績も上がってきています。最近の活躍は、町の広報に載っている体育協会ニュースなどでも報告されていますので、ご存知の方も多いと思います。
今日は、現在一宮役場に勤めておられる鶴岡氏、株式会社「まる」という飲食店グループを率いている高山氏、石井氏、といった功労者やOBの皆さんがそろっておられましたので、わたくしから主会場に集まった数百の男女少年剣士にご紹介させて頂きました。鶴岡氏は、指導者として多くの若者を育てた方、高山氏は高校生のときに国体に出場、そして一昨年(2015)再度国体出場と、現在なお現役の方です。
参加者は、剣道のクラブ単位で登録していましたが、関東一円のみならず、静岡・山梨・新潟・福島などからも参加しておられ、本当に大規模な大会でした。主会場のアリーナは相当広いのですが、剣士たちが集まっただけで、剣道着の独特の“におい”で一杯でした。地元大網白里市からも参加されていましたので、一宮尚武会の皆さんとあわせて、みなさんのご活躍を、ひそかに祈らせて頂きました。
ロビーでは、大網白里の産物を販売していました。落花生と、いわし・アジの加工品を中心とした海産物です。朝から早速子供さんがたが見にきていましたが、かなり売れたのではないかと思います。まわりは激しい雨で、近くにお店もないところなので、お弁当以外に、お土産などというと、ここで買うしかありません。1000人もの方々が集まっていましたから、商機は確実に存在していました。一宮町の出店もどうですか、と市長さんからはお声をかけて頂いていたのですが、町内開催のイベントが多く予定されており、手がまわらない、ということで、一宮は出店しないことになったのです。大変残念なことでした。
【いちのみや保育所絵本イベント】
その後、いちのみや保育所(旧・原保育所)に伺いました。絵本作家のどいかや先生をお迎えして、玄関ホールのしつらえをご担当下さった久永先生とご一緒に、どい先生の絵本に関連するキャラクタースタンプや塗り絵などを楽しむというイベントでした。これは、去る3月にも一度開かれて好評を博したイベントの3回目です。どい先生は、ご自身がおつくりになった、「ひまなこなべ」というアイヌ伝承に取材した萱野茂氏原作の絵本を朗読してくださいました。また、犬や猫が、いらなくなったということで無残に殺処分されること、動物販売業者が、利益を上げるため、動物に過酷で劣悪な状態での繁殖を強いることがよくあること、などについて警鐘を鳴らすお話をされました。
日本は、最近、弱い人間に対しても酷薄にあたる傾向が突出してきています。まして動物に対してはなおさらです。ネットでは、猫に火をつけるなど、ひどいめにあわせたことを自慢して、仲間の喝采を浴び、いい気になって更に非道な行為を繰り返す、といった動物虐待の事例も報告されています。こうした流れは絶対に容認してはいけません。こうした攻撃的な衝動にもとづく動きに抵抗し、正気を守ってゆくことは、わたくしどもが特に気をつけなくてはいけないことです。
もちろん、野生動物の被害を受けつつ、それを甘受することはできない相談ですので、駆除による人間社会への圧力を弱めるコントロールは必要です。人間がすべて動物に譲ることなどありえません。したがって、最近のイノシシの事例がそうですが、あるときには、殺害といった結果が伴います。しかし、動物にも、「生を欲し、死を悪む」という心をはじめ、人間に共通した心のはたらきがあることなど、ちょっと動物を見ればわかります。だとすれば、そうした殺害を余儀なくされるときでも、なるべく残酷な殺し方をしないようにする、というのは、わたくしども人間が正気であるためにも、絶対必要なことだと思います。まして、人間が飼っている動物、人間の管理下にある動物であれば、故意の殺害などはあってはいけないことですし、虐待もあってはなりません。それが私たちが正気であり続けることだと思います。その延長上には、人間の仲間とどう向き合ってゆくか、というそのあり方が展望されるでしょう。色々と考えさせられたどい先生のお話でした。
【芸能と音楽を楽しむ会】
そのあと、GSSセンターに移動して、「芸能と音楽をたのしむ会」に出席しました。今年で48回目だそうです。これは、文化同好連絡協議会が主催するもので、一宮町に関係する各種の芸能・音楽愛好団体が一同に会して、その成果を示しあうものです。朝が剣道ですからスポーツ、午前が絵本ですから美術と文学、そしてお昼には芸能と音楽ということで、今日、私は、一人で人間の「文化」活動の成果の全領域にわたって、一宮の皆さまの活動の精華を味あわせていただいたことになります。
昨年は、最初から最後まで拝見いたしましたが、今年は後半しかご一緒できませんでした。しかし、寿扇会・詩舞クラブの皆さんの舞踊を拝見して日本情緒に浸ったあと、一宮小・一宮中・一宮商業高・ハーモニーウインズとふるさとばんどという大人の団体まで、コラボを含んで怒涛のような吹奏楽の演奏を聞かせて頂き、幸せな思いに胸が一杯になりました。特に、小・中、中・高、といった学校間の壁を超えてのコラボ演奏、そして最後の全員合奏は、聞いているものをとても奮い立たせてくれるものがあります。演奏曲に「Paradise has no border」というものがありましたが、まさしくボーダーを超えてゆく「つながり」に感動を覚えるのです。違うもの同士が出会ってともにことにあたり、ひとつのものを作り上げてゆく、これはすばらしいことではないでしょうか。
2020年にオリンピックが参ります。その折には、何日にもわたって、日本・世界のあちこちから来られた皆様に、様々なイベントでおもてなしをしなくてはなりません。今日ご発表いただいた、素敵な芸能・音楽の活動の精華は、必ずや日本中・世界中の皆さんに喜んでいただけると思います。是非、その折には皆さまのお力をお借りしたいと強く思った次第です。