町長日記 8月6日(観光地曳網参加と玉前雅楽会の「月見の宴」演奏会見学)
今日は、午前10時から観光地曳網が開催されました。波は高かったのですが、天気はよく、船を出すことになりました。白子・長生方面では中止にしたということもあってか、大変大勢の方がお見えになられ、盛況を呈しました。今村雅弘代議士も昨夜に続いて、改めて一宮にお越しになられましたので、ひとことご挨拶をお願いいたしました。
途中までは、漁獲状況はわかりませんでしたが、朝6時の網も結構とれたということで、保存会の方は、きっととれるよ、と仰っていました。最終的には、40樽以上の大漁となりました。相変わらずサバが多く、カマス・イワシが混じっている、という感じでした。アジも少しでしたが、入っていました。大変たくさん取れたので、お越しの方々は大興奮で、山ほど持ち帰ってもまだ余るという状況で、大喜びでした。昨日の花火に続いて、大成功で、大いに一宮町の面目を施した結果になりました。
わたくしは、地曳網保存会会員として作業を皆さんとご一緒しました。網のはしをおさえて、網の中の獲物が、逃げないようにしていたとき、網の中のエイを捨てようとしたらつるりと滑って、足にとげが当たってしまいました。ちょっと痛いだけでしたが、今日には腫れているので、なるほど少しながら毒が入ったようです。触れただけだったので、大過なくてよかったです。
とれた魚の料理の仕方ですが、地元であまり人気のないサバの子も、実は料理次第で大変おいしく頂けます。わたくしの妻は、内臓をとったらぶつ切りにして、圧力釜で醤油と砂糖、生姜を入れて煮るという形で料理していますが、これが大変おいしい味わいです。骨はすべてやわらかくなって、全く口にさわりません。丸ごと食べて大変おいしく、酒のさかなとしても、またご飯のおかずとしても、大変な優れものとなります。
夜には、同じ地引小屋で玉前雅楽会の皆さんによる、「月見の宴」の演奏会がありました。6時半に海岸に行ってみると、すでに14日の月がでていて、見事でしたが、7時15分の演奏開始時となると、雲がちょうど月のおもてにかかってしまい、大変残念でした。遠い海上は晴れているようで、海面がきらめいているのが望めました。
演奏は、越天楽(越殿楽)、千秋楽、長慶子などでありました。朗詠もありました。全体としては、やや海の波が激しすぎ、波音が楽の音を掻き消しがちになるところがあったのが残念でしたが、いつものとおり、典雅なひとときを演出して頂けました。演奏は約1時間でしたが、後半には月が顔を出し、見事な輝きを投げかけるようになりました。
この地引の小屋は、まさしく朝わたくしも参加したように、地曳網漁の場所であるとともに、昼間目の前の海に大勢の人が入ってサーフィンをする場所でもあり、また今夜のように雅楽の演奏を行う場所としても使われているわけです。こうした重層性・多様性が、一宮町の魅力といえるでしょう。
始まる前、会場近くにいた若い方々に声をかけたところ、一宮町にサーフィンをしたくて移住してこられた方と、その友人の皆さんでした。雅楽の会がありますから、よかったら聞いてみてください、と申し上げたら、わたくしたちのようなものでもよいですか、と仰っていたので、勿論差し支えありません、とお答え致しました。こういう新しく見えた方々にも、一宮町の多様な魅力の一端を感じて頂けたのではないかと思います。