町長日記 5月4日(庭の草取り)
本日も庭の草取りをしました。まるまる二日休んで家のことをするなどということは、町長職を拝してよりこれまで殆どなかったことなので、改めて驚きでもあります。
この時期の庭には、フジ、アヤメ、ダッチアイリスなど、紫色の花が多く見られます。『論語』の中では、紫は間色でありながら純色の朱を奪うものとして否定的に論及されています。しかし、フェニキア人が貝からとった染料で染めた紫色の布は、ローマでは特権階級の着物に使われたといわれていますし、漢代以降、中国でも紫色は高貴の者の衣服の色とされてきました。特に道教の圏域では、紫色は最もグレードが高い神秘的な色と見なされていました。スミレの花もそうですが、不思議と紫には人の心を誘いこむ深さがあります。
一方、自然界に青い花というのが少ないのはなぜでしょう。身近なところでは、ツユクサが青い花の代表でしょうか。アジサイやアサガオにも青い花がありますが、他の色に比べると青い花というものは少なく感じます。空は青い色ですが、なぜ青い花が自然界には少ないのか、気になるところです。青い花といえば、わたくしの家では、オオボウシバナという、ツユクサの栽培品種が毎年真っ青な花を咲かせます。この花は、うまく咲くとツユクサの10倍以上ある大きな花を開きます。野生のツユクサよりは花期が早く、秋風の吹くころにはほぼ終わってしまうのが残念ですが、盛夏を通じて毎朝、大きな真っ青な花で花壇を彩ってくれて、大変重宝しています。
なお、『青い花』というと、ノヴァーリスの作品を思い出します。