町長日記2018年2月9日(広域議会定例会本会議と長生山武地域振興懇話会の研修会に出席)
今日は、広域議会があり、朝から午後2時半までかかりました。広域の補正予算及び、30年度予算が上程されました。新年度予算は、委員会付託になりました。補正予算の質疑では、興味深い質問がありました。茂原市の議員が、設計業務の見積額が、入札の結果と比べぐっと下がったことに対して、もとの予算案は、しっかりしたデータに裏付けられた提案だったのか、もっと誤差を小さくすべきだ、と仰ったのです。ここは、一方では、入札で下がったのだからよいではないか、という見方もあるのかもしれません。しかし、一方では、差が大きい場合、当初の計算は正しかったのか、という見方も確かにありうると思うのです。どう評価したらよいところか、難しいところです。いずれにせよ、安くなった以上は、安かろう悪かろうにならぬよう、しっかりと誘導してほしい、というところは、皆さまの一致するところでしょう。
3時半から、大網白里市に移動して、長生山武地域振興懇話会の研修会に出席しました。城西国際大学の渡辺淳一教授がこれからの地域創生の一手段としての観光についてお話になられましたが、多くの点でわたくしが年来感じていたことと符合する内容でした。「歩歩入妙」ということばがあります。「一歩一歩佳境に入ってゆく」という意味ですが、そうした印象を受ける面白い講演でした。
教授のお話は、観光はビジネスである、というご主張が中心に位置していました。つまり、お金儲けである、ということです。そして、行政が関与するには限界があるので、行政はデータの収集分析や、方向性の提示など行い、業務そのものは民間にまかせるのがよい、とのことでありました。また、瀬戸内DMOの例を引いて、金融機関を加えて、融資のためのファンドを作ったところに、同DMOの事業の順調な展開の鍵がある、と仰っていました。一宮町でも、色々な観光ビジネスのアイディアを形にするのに、初期設定のため、或いは更なる展開のため、資金が必要です。それを引き出すことの出来るファンドの存在は、必要不可欠と感じられます。また、大きくやる必要はない、できることから、ひとつひとつやってゆくのがよい、100メートル200メートルも観光的町並み形成ができれば、それでよいのであって、大規模なものを構想する必要はない、というお話も、わたくしの考えと全く同調するものでありました。
わたくしは、花火大会を例に挙げ、こうした大規模観光イベントが、職員の苦労の上になりたっていること、ところが経済的潤いが判然としない面があり、これを改善する必要があること、を挙げて、こうした例は全国的にあると思うので、なにか打開策の前例などはご存知ありませんか、とお伺いいたしました。教授は鴨川市の例を引き、鴨川も同じことに悩んでいたけれども、ホテルが満室になっているということで、今後も花火大会を続けることにした、と仰っていました。我々も、トライアスロンの経済効果について役場内で話したとき、やはり宿泊需要が上がることをその意義としてまず考えました。鴨川市は同様の考えで花火への対応も行ったということです。ただ、それを超えての対応策は、今回は特にご紹介頂けませんでした。むしろ、どうやらみなが解決できずに現在進行形で苦しんでいる事案なのだということを再確認しました。