町長日記 6月16日(長生土地改良協会の総会に出席)
本日は、茂原の長生合同庁舎で開かれた長生土地改良協会の総会に出席しました。総会後に、功労者表彰がありましたが、なんと4名の表彰者の方のうち、3名が一宮の方でした。一宮の町長として、大変面目を施したひとときでありました。その後の祝賀会では、一宮の、松潟・東部・西部の三土地改良区の理事長さんが整揃いして、大変盛会でありました。なお、受賞者は、西部の理事長の原田さん、東部は枇杷畑の高梨さん、新熊の河野さんでした。
土地改良事業は、水利の問題の解決を中心に、長い歴史があります。歴代の先覚者が、時に莫大な私財を費やして、水事情の劣悪な状態を改め、巧緻な給排水システムを築き上げてきたわけです。九十九里地域全体についていえば、以前の潟湖のあとなどの湿原や池沼は排水が大変難しく、一方では広範な砂地が渇水に悩む状態にあったそうです。水争いで人死にが出ることもあったといい、毎年人びとは水の状況に一喜一憂せざるをえなかったそうです。それを根本的に改善したのが両総用水で、利根川の水を、九十九里平野を南下して一宮川まで引き込み、支線を設けて各地を灌漑したものです。現在、用水について本質的な争いがあるとは聞かなくなって久しいですが、これはそうした先人の壮大な土地改良事業が継続して行われてきたからにほかなりません。会長の林・白子町長のご挨拶に、「土地改良事業の重要性について、認識が薄れてきている」とありましたが、特に非営農者の方は、その存在すらご存知ない方も多くなってきていると思います。広域的給排水システムの維持・改善は、農地として土地を有効に使ってゆくためのもっともベーシックな事業ですので、今後もその重要性を強調し、非営農者の皆様にも一層の理解を頂くようにしなくてはなりません。
ちなみに、平成29年度の国の土地改良事業の総予算は、平成21年度の水準に戻ったそうです。民主党政権成立後、激減していたそうですが、今回それ以前の水準に復帰したということです。また、農業基盤整備事業といわれる、農地の区画拡大や効率的給排水システムの構築の実施に関わる法律が、根本的に変更になったということで、千葉県の方の講演がありました。制度変更の特に重要なポイントは、農家の金銭負担と同意を必要としない、というところにあります。講演後の皆さんの会話を傍らから聞いたところでは、茂原市の方々などは新制度への期待は高いようです。一宮でも具体的状況をよく踏まえて適用の適否を考えてゆきます。